築年数別・リフォームで先に手を入れるべき場所|大阪のダスノン
「そろそろリフォームを」と思ったとき、どこから手をつけるかで満足度が変わります。ご予算に限りがあるなら、なおさらです。
判断の軸になるのは築年数です。同じ「水まわりを新しくしたい」というご相談でも、築15年の家と築45年の家では、先にやるべきことが違います。ここでは年数ごとに、何を見て、何から手を入れるかを書きます。
目次
築年数別・早見表
先に全体像です。詳しい理由はこの後に書きます。
| 築年数 | まず見るところ | この時期の主な工事 |
|---|---|---|
| 〜10年 | 消耗品の劣化 | 壁紙の部分補修、設備の部品交換。大きな工事はまだ不要です |
| 10〜20年 | 給湯器、コンロ、換気扇 | 設備の単体交換。外壁塗装の1回目もこの時期 |
| 20〜30年 | 水まわり設備一式、内装 | キッチン・浴室・トイレ・洗面の交換。内装の全面刷新 |
| 30〜40年 | 給排水管、断熱、構造 | 配管の更新をともなう改修。断熱改修。耐震診断の検討 |
| 40年〜 | 構造・耐震が最優先 | 耐震診断から。スケルトンリフォームや建て替えとの比較も |
築年数ごとに見るところ
構造も設備も現役です。無理に手を入れる必要はありません。
やるとしたら、暮らしの変化に合わせた小さな調整です。子ども部屋の間仕切り、収納の追加、コンセントの増設。あとは壁紙の部分補修くらいです。
この時期にやっておくと良いのは、記録を残すことです。設備の型番、保証書、竣工図面をまとめておくと、10年後・20年後のリフォームで判断が早くなります。
給湯器(10〜15年)、ガスコンロ(10年前後)、レンジフード(10〜15年)が交換時期に入ります。壊れてから慌てると選択肢が狭まるので、少し前から考え始めてください。
戸建てなら、外壁塗装の1回目がこの時期です(塗料によって7〜15年)。触ると白い粉が付く(チョーキング)、細かいひび割れが出てきた、というのがサインです。屋根の工事も検討するなら同時にやってください。足場を2回組むと、その分だけ余計にかかります。
壁紙は10年前後で継ぎ目が開いてきます。部屋単位での張替えを考える時期です。
キッチン(15〜20年)、ユニットバス(15〜20年)、洗面化粧台(15〜20年)が寿命を迎えます。耐用年数が近い設備は、同じ時期に替え時が来るので、まとめてやる方が総額は下がります。
ここで大事なのは、設備だけ替えないことです。新しいユニットバスが入っても、脱衣所の床と壁が古いままだと、そこだけ浮いて見えます。同じ空間の内装まで含めて考えると、費用の増え方のわりに仕上がりが大きく変わります。
逆に、あとから内装だけやり直すのはとても効率の悪い工事になります。
設備の2周目と同時に、給排水管が視野に入ります。古い建物では鉄管(亜鉛メッキ鋼管)が使われていることがあり、内側の腐食で赤水やつまりが出はじめます。
配管は壁や床の中を通っているので、内装をやり直すタイミングでしか触れません。ここで判断を先送りすると、数年後に不具合が出たときに、また壁を壊すことになります。
断熱もこの年代の課題です。1999年の次世代省エネ基準より前の住宅は、いまの感覚では断熱がほとんど入っていないと考えた方がいいです。窓の内窓、天井や床下への断熱材の追加で、体感は大きく変わります。
木造戸建てなら、2000年5月以前かどうかを必ず確認してください。次の章で詳しく書きます。
内装より先に、建物が安全かどうかです。1981年5月以前の建物は旧耐震基準で、いまの基準とは考え方が違います。
大阪市には耐震診断の補助制度があり、条件を満たせば費用の大半が補助されます(上限5万円/戸)。まず診断を受けて、現状を数字で把握するところからです。
せっかく内装をきれいにした後で、耐震補強のために壁を壊すことになると二度手間です。順番を間違えると、同じ工事を2回払うことになります。
この年代では、スケルトンリフォームや建て替えとの比較も現実的な選択肢になります。部分的に直し続けるより、一度まとめてやり直した方が結果的に安く、性能も上がることがあります。
年数より優先されるサイン
築年数はあくまで目安です。次の症状が出ていたら、年数に関係なく先に見てください。放置すると被害が広がり、費用が膨らみます。
- 天井や壁のシミ ── 雨漏りか、上階からの水漏れです。内装だけ直しても再発します。原因側を先に
- 床が沈む・きしむ ── 特に洗面所と浴室の周り。下地や土台が水で傷んでいる可能性があります
- 赤茶色の水が出る ── 給水管の腐食です。配管の更新を検討する段階です
- 排水の流れが悪い・臭う ── 排水管のつまりや勾配の問題。建物全体の場合は本管側も疑います
- 外壁の大きなひび割れ ── 幅0.3mmを超えるものは、内部に水が入っている可能性があります
- ドアや窓の建て付けが急に悪くなった ── 建物が動いているサインのことがあります
- 羽アリを見た ── シロアリの可能性。木造では特に早めの確認を
「まだ大丈夫」がいちばん高くつきます
雨漏りを1年放置すると、天井の張替えで済んだものが、下地の交換と断熱材の入れ替えまで必要になります。水は下へ、そして横へ広がるので、被害範囲は時間に比例して大きくなります。
症状が出ている場合は、リフォームの計画とは切り離して、先に見せていただくことをおすすめします。現地調査は無料です。
耐震の2つの区切り
木造住宅には、1981年6月と2000年6月という2つの区切りがあります。ここを知らないまま内装から手をつけると、順番を間違えます。
| 建築時期 | 基準 | 考え方 |
|---|---|---|
| 1981年5月31日以前 | 旧耐震基準 | 震度5強程度を想定した基準です。耐震診断から検討することをおすすめします |
| 1981年6月1日〜 2000年5月31日 | 新耐震基準 (木造は2000年基準を満たさない) | 新耐震ではありますが、木造住宅については2000年に金物の仕様や耐力壁の配置バランスの規定が加わりました。この年代はそれを満たしていません |
| 2000年6月1日以降 | 2000年基準 | 現行に近い基準です。構造の心配は比較的小さくなります |
大阪市の補助は「2000年5月31日以前」が対象です
旧耐震(1981年5月以前)だけでなく、1981年6月〜2000年5月の建物も対象になります。「うちは新耐震だから関係ない」と思われている方が多いのですが、木造住宅ならこの年代も含まれます。ご自宅の建築時期を、一度確認してみてください。
鉄骨造・RC造の場合
鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、木造とは劣化の仕方が違います。鉄骨は接合部の状態と錆、RCは中性化とひび割れからの鉄筋の腐食が見どころになります。年数だけでは判断しにくいため、状態を見ての判断になります。
見えない部分をいつ直すか
リフォームでいちばん判断が難しいのが、壁や床の中です。開けるタイミングでしか触れないので、そのときに決める必要があります。
| 部位 | 目安 | 同時にやる工事 |
|---|---|---|
| 給水管 | 築30年前後から検討 | 水まわりの交換、内装の全面改修 |
| 排水管 | 築30年前後から検討 | 同上。勾配のやり直しが必要なことも |
| 電気配線 | 築30年前後から検討 | 内装の改修時。容量不足の解消も同時に |
| 床下の断熱 | 状態次第 | 床の張替え。床下から施工できる場合もあります |
| 天井裏の断熱 | 状態次第 | 天井の張替え。点検口から入れることもあります |
| 耐震補強 | 2000年5月以前なら検討 | 壁の解体をともなう工事 |
| 土台・柱の補修 | 解体して判明することが多い | 浴室の解体時、床の張替え時 |
電気については、築年数の古い家ではアンペア数が足りないことがあります。IH調理器、食洗機、浴室乾燥機を追加したいなら、容量の確認が先です。内装を開けているときなら、配線のやり直しも効率よくできます。
50年で何が来るか、先に並べておく
「次はいつ、いくらかかるのか」が見えていると、資金の準備がしやすくなります。一戸建てを想定した、おおまかな周期です。
| 時期 | 来るもの | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 築10年前後 | 外壁・屋根の塗装(1回目) | 50〜150万円 |
| 築10〜15年 | 給湯器の交換 | 工事内容による |
| 築15年前後 | 壁紙の張替え(全室) | 900円〜/㎡ |
| 築15〜20年 | キッチン・浴室・洗面の交換 | 150〜400万円 |
| 築20年前後 | 外壁・屋根の塗装(2回目) | 50〜150万円 |
| 築20〜25年 | 便器の交換、床の張替え | 6〜10万円/9,000円〜㎡ |
| 築30年前後 | 外壁・屋根の塗装(3回目)または葺き替え | 50〜150万円〜 |
| 築30〜35年 | 給排水管の更新、断熱改修 | 工事範囲による |
| 築35〜40年 | 水まわり設備の2周目 | 150〜400万円 |
| 築40年〜 | 耐震診断・補強、または全面改修 | 300〜1,000万円 |
※ 立地や使い方で前後します。海沿いや交通量の多い道路沿いでは、外まわりの劣化が早く進みます。マンションの場合、外壁と屋上は共用部なので修繕積立金から支出され、個人の負担としては発生しません。
マンションは「専有部だけ」で考えます
上の表のうち、マンションの所有者が自分で負担するのは設備と内装、専有部の配管だけです。外壁・屋根・共用配管・エントランスは管理組合が計画的に修繕します。そのぶん毎月の修繕積立金を払っているという構造です。
中古マンションを買うときに長期修繕計画と積立金の残高を見るべき、と言われるのはこのためです。計画が実態に合っていないと、あとから一時金や値上げが来ます。
築年数まわりのよくある誤解
「新耐震だから安心」
木造住宅では、1981年6月〜2000年5月の建物は2000年基準を満たしていません。金物の仕様や耐力壁の配置バランスの規定は2000年に加わったものです。大阪市の補助がこの年代まで対象にしているのは、そういう事情です。
「リフォーム済み物件だから手を入れなくていい」
売却前のリフォームは、見える部分が中心のことが多いです。壁紙と床が新しくても、その裏の配管や断熱はそのまま、というケースがあります。何をどこまでやったかを確認してください。工事の記録が残っていれば、それがいちばん確実です。
「築年数が古いほど工事費が高い」
必ずしもそうではありません。古い家ほど構造がシンプルで、間取り変更がしやすいこともあります。逆に、築浅でも特殊な工法や設備が入っていると、部材の調達で費用が上がることがあります。年数より、建て方と状態で決まります。
「水まわりだけ替えれば十分」
設備だけ新しくすると、周りの古さが際立ちます。また、配管が古いままだと数年後にまた壁を開けることになります。同じ空間の内装まで含めて考えると、費用の増え方のわりに仕上がりが変わります。
「大がかりな工事は住みながらできない」
部分的な工事なら、お住まいのまま進められます。キッチン交換なら2〜4日、ユニットバス交換なら3〜5日、その間その設備が使えないだけです。仮住まいが必要になるのは、間取り変更をともなう大規模工事やスケルトンリフォームの場合です。
マンションと戸建てで順番が違う
マンションの優先順位
- 専有部の給排水管 ── 共用部の縦管は管理組合の管轄ですが、そこから室内に引き込む部分は専有部です。築30年を超えたら確認を
- 水まわり設備 ── キッチン・浴室・洗面・トイレ
- 内装 ── 床材は管理規約の遮音等級の指定を確認してから
- 内窓 ── 窓そのものは共用部で交換できませんが、内窓なら室内側なので設置できます
耐震については、建物全体の問題なので個人では判断できません。管理組合の長期修繕計画と、耐震診断の実施状況を確認してください。
一戸建ての優先順位
- 雨仕舞い ── 屋根と外壁。水が入っていると、他の工事が無駄になります
- 構造・耐震 ── 2000年5月以前なら診断から
- シロアリ ── 防蟻処理の薬剤は5年程度で効果が薄れます。前回の施工時期の確認を
- 給排水管・電気 ── 内装を開けるタイミングで
- 断熱 ── 床下・天井裏・窓
- 水まわり設備・内装
戸建ては外から内へが原則です。屋根と外壁で水を止めてから、中の話に進みます。詳しくは 一戸建てのリフォーム にまとめています。
予算が限られるときの並べ方
全部は無理、というときの考え方です。3つの軸で並べてください。
1|放置すると被害が広がるもの
雨漏り、水漏れ、シロアリ、構造。これらは待つほど費用が増えます。最優先です。
2|後からやり直せないもの
壁や床の中の配管・配線、間取り変更、断熱。内装をやり直すタイミングを逃すと、次の機会は10年以上先になります。
3|毎日使うもの
キッチン、浴室、トイレ。使用頻度が高く、古さがそのまま日々のストレスになります。来客用の和室や納戸は、後回しにしても生活の質は下がりません。
設備のグレードは最後に調整してください
予算が足りないとき、工事範囲を削ると仕上がりが中途半端になります。範囲は保って、設備のグレードを1ランク下げる方が、満足度は高くなる傾向があります。設備は後から交換できますが、工事範囲はやり直しがききません。
築年数と使える補助制度
築年数によって、使える制度が変わります。2026年度の内容です。
大阪市(2000年5月31日以前の住宅が対象)
| 制度 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 耐震診断 | — | 5万円/戸 |
| 耐震改修設計 | 費用の3分の2 | 10万円/戸 |
| 耐震改修工事 | 費用の2分の1 | 115万円/戸 |
| 空家利活用改修(インスペクション) | 費用の2分の1 | 3万円 |
| 空家利活用改修(性能向上) | 費用の2分の1 | 75万円 |
| 空家利活用改修(耐震) | 費用の2分の1 | 115万円 |
2026年度の申請期限は、診断・設計が12月28日、改修工事が12月15日です。市税の滞納がないことなどの要件があります。空家利活用改修は、3ヶ月以上空家の木造住宅が対象です。詳細は 大阪市の公式ページ をご確認ください。
国の制度(築年数を問わない)
| 制度 | 主な対象工事 |
|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業 | 内窓の設置、外窓の交換、ガラス交換など断熱窓への改修 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 断熱改修、エコ住宅設備、子育て対応改修、バリアフリー改修 |
| 給湯省エネ関連の事業 | エコキュート・ハイブリッド給湯機など高効率給湯器への交換 |
補助額と申請期間は年度ごとに変わります。予算上限に達した時点で締め切られる制度もあり、申請は工事の前が原則です。また、登録事業者による申請が必要な制度もあります。北摂・東大阪・兵庫県内の各市にも独自の制度があります。
判断の実例
築25年のマンション・水まわりを新しくしたい
まず給排水の状態を確認します。問題がなければ、水まわり設備の交換と、同じ空間の内装をまとめて進めます。床材は管理規約の遮音等級を確認してから決めます。内窓は結露対策として費用対効果が高く、国の補助制度の対象にもなりやすい工事です。
築35年の戸建て・寒さが気になる
断熱の前に、まず雨漏りの形跡と2000年5月以前かどうかを確認します。耐震補強が必要なら、壁を開ける工事と断熱をまとめた方が効率的です。断熱そのものは、窓(内窓4〜8万円から)、天井(16〜40万円)、床下(6〜15万円)の順に費用対効果が分かりやすい工事です。
築45年の実家を引き継ぐ
耐震診断からです。大阪市の補助が使えます。診断結果次第で、部分的な補強+リフォームか、スケルトンリフォームか、建て替えかの比較になります。この規模では、先に総額の見通しを立ててから工事内容を決める順番になります。
部位ごとの費用は 大阪のリフォーム費用相場 に、中古を買って手を入れる場合の進め方は 大阪で中古を買ってリノベーション にまとめています。
よくあるご質問
築年数がはっきり分かりません
登記簿謄本(建物の表題部)に新築年月日が記載されています。固定資産税の納税通知書や、購入時の重要事項説明書でも確認できます。分からない場合は、現地でおおよその年代を判断することも可能です。
耐震診断はどこに頼めばいいですか
大阪市の補助制度を使う場合、市に登録された事業者による診断が条件になります。まずは市の窓口か、当社にご相談ください。手続きの流れからご説明します。
全部やると予算が足りません。分けてもいいですか
分けて構いません。ただし、順番が重要です。壁や床を開ける工事(配管・断熱・耐震)を後回しにすると、内装をやり直すことになります。いま何を、次に何をやるかを一緒に整理します。優先順位をつけるのが、最初の打ち合わせの目的です。
建て替えとリフォーム、どちらが得ですか
築年数と構造の状態、それから法規制によります。再建築不可の土地では建て替えができませんし、接道や建ぺい率の制限で今より小さい家しか建てられないこともあります。一方、構造の傷みが激しい場合は、補修費用が積み上がって建て替えに近づくこともあります。診断結果をもとに、両方の概算を出して比べるのが確実です。
設備がまだ使えるのに交換すべきですか
使えているなら、無理に交換する必要はありません。ただし、内装や配管の工事で同じ場所を開けるなら、そのときに一緒に替えた方が総額は下がります。数年以内に寿命が来そうなものは、まとめる価値があります。現地調査のとき、それぞれの残り年数の見立てもお伝えしています。
点検だけお願いできますか
できます。現地調査・お見積り・出張費はすべて無料です。「気になるところを見てほしい」というご依頼でも構いません。工事のご依頼がなくても、状況と対処の選択肢をお伝えします。
まず、いまの状態を見せてください
築年数と症状から、何を先にやるべきかをお伝えします。現地調査・お見積り・出張費はすべて無料。写真を送っていただくだけでも構いません。相見積もり歓迎で、しつこい営業はいたしません。
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